自称「権力を監視する役割」を語る偏向メディアの欺瞞

メディアは時に「権力を監視する役割」を大上段に振りかざす。そして少し批判されれば直ぐに「言論の自由」を返してくる。

冷静に考えてみよう。「権力を監視する役割」を機能させるためには、権力を倒す力、揺るがす力をも持つ事となり、その時点でその機能自体が『権力』に他ならない。ならばその自ら持つ『権力』をも監視する役割も必要となるが、自らの行為を自ら監視する構造は独裁でしかない。まさにBPOは自らの内輪の監査に過ぎず、機能していない事は誰の目にも明らか、メディア同士もなんら監視、牽制しているとは思えない。少なくとも制度的に権力としての牽制機能は存在しない。そのようなメディアが権力を有するのは民主主義ではない。

従って、「権力を監視する役割」というのは自称に過ぎず、その様な権限は制度として何ら形にはなっていない。但し、「言論の自由」という範疇で権力を批判する事も容認されている。それだけに過ぎない。

もし本当に「権力を監視する役割」を大上段に掲げるならば、自らの権力に謙虚でなければならず、そこに「言論の自由」を持ち込むべきではなく、自らの活動も批判の対象にならねばならない。このパラドックスを理解せずに自己都合の身勝手は許される訳がない。

その様な権限はないので、一定の「言論の自由」は保証されるが、それでも情報を配信する機能を有するという事は、それだけで扇動する力を持ち、しかも国家の公共財産である電波を格安で利用する権限を与えられているために、放送法によって公平性を保つことが前提として規定されているのだ。

さて、ではこの放送法に規定する公平性は保たれているだろうか。保たれている、守られているという屁理屈の一つに、解釈としての「一つの番組ではなく放送事業者の番組全体を見て判断する」というものである。

百歩譲って、この解釈を正当だと仮定したとしても、一部の番組で偏った政府批判が行われている事を事実上認めているのだろう。一方、全体で公平性が保たれているためには、真逆の番組が存在する必要がある。まさに、政府批判の言葉尻をとらえた揚げ足取り、単なる難癖を徹底的に批判する番組が必要だが、どこにその様な番組があるのだろうか。その時点で全体としても公平性は保たれていないのは自明である。

常識的に考えて、一部の番組でも酷く偏ったものであれば、全体でバランスをとる事は困難である。つまり全体でバランスを取るといっても、個々にある程度の公平性は保たれなければならないのは当然なのである。それが選挙期間など偏向報道による扇動の影響が大きい時期には平常時以上に公平性が必要不可欠になる。ただそれだけのことに過ぎない。

しかし、今また騒動が起きた。またメディアによる一方的で非論理的な誹謗中傷がこれでもかと繰り返されるかと思うと憂鬱になる。加えて、それに便乗して、日本語読解も出来ず、文書管理の基本も知らずに、鬼の首を取ったかのように騒ぎまくるボーカルマイノリティにも辟易する。

はっきり申し上げる。権力の監視は有権者である国民が行うものである。その結果は選挙で民意を意思として表すのが民主主義である。メディアにその権限はない。奢るのもいい加減にして欲しい。加えて、全ての国民に「言論の自由」はある。しかし自由が保証される前提には、一定の責任と義務が伴うのは当然である。その責任を認識できないで自由だけ叫ぶのはガキの我儘に過ぎない。

メディア放送・報道の役割は、あくまで真実を伝える事である。その上で若干の解説を加えるまでは良いだろうが、一部の番組の様に偏った思想の解説者を揃え、徹頭徹尾誹謗中傷を続ける行為は決して許されるべきではないし、それが権力の監視ではない。自らの主義主張を叫ぶなら、堂々と公共の電波を返上し、自らの力で発信するべきである。国家の財産である電波を使った単なる自らのプロパガンダは、本気で糾弾すべき時代になったのだろう。

全く話は変わるが、今回の小西議員が取り上げた総務相の文書だが、正直言って、こんな文書としての基本も守られていないものを見て騒ぎ立てるとは、嘆かわしい限りである。

公式文書であるとの批判が聞こえてきそうだが、真っ当な文書形式の部分に関しては、内容に問題性を感じないし、政府もその様に答えている。文書の体裁を為していない個人メモとして何ら裏付けも、確認のされていないものも混在している。それを分けて議論すべきである。

個人のメモは好き勝手に書ける、それは虚実含まれていても成立する。文書として真実の記録となり得るには、5W1Hがあり、関係者による確認・承認を経る必要がある。単純にそれだけであり、それ以上でもそれ以下でもない。文書管理のイロハも分からずに何を騒いでいるのか、なぜこれで政府を批判できるのか正気とは思えない。バカ騒ぎする時間がもったいないとしか思わない。

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