怒りの緊急提言、人の死を何と思っているのだ!

 羽田議員の死は本当に痛ましい事故であり、この様なことは二度と起こって欲しくない。年内、コロナ関連はもう書くつもりはなかったが、今朝のワイドショーで余りの言いっぷりに怒りすら覚え、書かざるを得ない状況となった。

 まず、この件、情報が錯綜しており、何が真実か正直言って不明の部分も多かった。アエラの記事では、PCR検査をこの混乱時期に自分が使うことで逼迫度合いが高まるとの理由で本人が断ったとの事だったが、ワイドショーでは、無症状時には検査対象とはならないと言われ、発熱後、受診を受けず民間のPCR検査を予約したが2日後だったとのことで全く異なっていた。何が真実なのだろうか?

 ただ、共通しているのは、24日の深夜に発熱後、発熱外来など医師の判断を仰ぐ行動がなかったのは事実の様だ。

 私が怒りを覚えたのが、あるジャーナリストがこのことを判断ミスと言いのけたことだ。流石に驚いたが、瞬間、菅野女史が諫めてくれたのが僅かに救いだった。

 確かに想像の範囲では、深夜の発熱の際に電話で相談していれば、少なくとも翌朝、発熱外来にかかっていれば、朝熱が下がったとしても夜には再び発熱しており、最悪でもその時点で医師の判断を仰いでおれば、と言うのを判断ミスと言いのけたのだろう。

 百歩譲って、本当に想像の通りの判断ミスだったとしたのなら、その原因を作ったのは貴方達だとの反省をするべきではないか。検査を医師の判断ではなく、素人判断で受けたい時に受けるべきと喧伝し続け、医師の判断関係なく素人が判断する様に仕向けたのは、貴方達、医療と関係ないPCR検査推進派ではないのか。

 通常は検査というものは、医師の判断で受けるものだ。医師は、診察とCT等の他の検査に合わせてPCR検査をして、確定診断を行う。極論を言えば、PCRで陰性と出ようと、新型コロナと同様の医療処置を実施することだってあるだろうし、その為に繰り返し検査をすることもあるだろう。陰か陽かが全てではなく、総合的に診断するのだ。

 普通に考えて欲しい。自分でレントゲン写真を撮って、自分で判断することなどあり得ないだろう。民間の検査で陰陽の結果で勝手な判断をするのは、これと同じことなのであり、あり得ないのだ。

 確かに春先、医師の判断があっても検査が行えない不幸もあったが、今や検査能力は格段に上がっていて、その様なことは無い。その時と混同してはならない。検査は、あくまで医師の判断なので、症状が無い場合は濃厚接触でもない限り検査の判断が下らない。当たり前だ、必要ないからだ。素人判断の検査は、誤った判断、誤った行動を引き起こすので本来危険なのだ。実際に、民間検査での偽陰性クラスターの報告も上がっている。誰でもいつでも検査を実施している国で、感染を抑止出来ているのは、非人道的な人権無視の行動制限隔離を実施できた国以外に存在しない。

 その様な状況で、誰でも検査を無責任にも訴え続けることで、空気感を醸成し、市場まで生み出した結果、実際に民間検査が今や相当な規模に増えている。医師の判断ではなく、勝手に検査を受けるという風潮が判断を誤らせたと言って過言ではない。そんな検査が無ければ、常識的には体調不良時には医師の判断を仰ぐのだから。

 なのに、コメンテイターは、民間のPCR検査が未だ少ないことが原因とし、もっと増強しなければならないと訳の分からない主張を繰り返していた。まずは、自分たちの作り出した空気、環境の及ぼしている危険性を直視し、反省するべきなのにだ。

 先日発信した提言である、医療の緊急事態宣言に続き、検査環境の緊急事態宣言を緊急提言する。

  1. 民間のPCR検査は全て各保健所の管轄として、医師の判断、空港検疫、濃厚接触者以外に実施することを禁止する
  2. 民間のPCR検査は、保健所の検査と同水準(試薬、検査精度など)で行う。
  3. 海外とのビジネス等でPCR陰性証明書が求められる場合は、特別に申請を受け付けて検査実施出来るようにするが、陽性検出の場合、医師の指示に従う事と、陰性の場合でも、非感染を証明するものではないので感染抑止行動は引き続き実行することを誓約させ、違反した場合の罰則を設ける。

 結局、日本における新型コロナ感染症対策で最大効果があるのは、先日の医療資源の再配分、全体最適化を目的とする強化策であり、その次が、PCR検査の統制だろう。無暗な検査は、偽陰性リスクだけでなく、医師の診療を受けずに勝手な判断をする方向に誘導するというリスクすらあるのだから。