アメリカ大統領選挙の結果として世間では、バイデン勝利一色に染まっており、トランプ現大統領が敗北宣言をせず、政権移行しないことに対して、バイデン候補は非難の攻撃を強めている。
しかし、冷静に考えてみよう。バイデン候補の言うことも結構無理筋なのである。バイデン候補に当確を出して勝利としているのは、マスコミの報道であり、正式決定の結果ではない。トランプ候補にも訴訟の権利があり、最終的に司法で決着がついていないのだから、勝利宣言はまだ早すぎる。不正の証拠がないとか、報道されているが、戦前からマスコミが反トランプ一色なのだから鵜呑みにしてはならない。この点、日本の感覚とは全く異なるのであり、司法決着を待つ必要があるのだ。
過去にも、再集計、手集計を行って票数が変わったりしているのだが、日本では考えられない事態ではないだろうか。日本で数え直して票数が変わるなど、もしあれば大事件である。
つまり、アメリカの選挙は日本の様な厳格で、不正が困難な制度ではないのだ。ある意味、実弾を使わない戦争、権力闘争なのだ。しかも、州毎に選挙管理の体制も異なれば、知事の権限に左右される要素が大きい。不正は、行おうとすれば普通に行え、証拠など隠蔽するのは簡単と言っても過言ではない。だからこそ、接戦の最終決着が司法決着に委ねられるのである。
だからと言って、今回、不正が行われた証明にはならないのはその通りだが、不正していないと言う客観的エビデンスを示すことも困難なのだ。日本では投開票に不正が無いことはエビデンスで示せるので、大きな違いなのである。
マスコミの報道では、戦前はバイデン圧勝であった。明らかに支持率に違いがあった。隠れトランプと言う言い訳が横行しているが、普通に考えて、4年前に同じ票読みの間違いをしていて、同じことを繰り返すのなら、それはマスコミの情報収集能力がでたらめか、もしくは、敢えて情報操作をしてでも、間違ったアウトプットで反トランプの世論形成をしているか、どちらかだろう。私は、後者だと確信している。ならば、マスコミの情報は鵜呑みにできない、バイアスがかかっていると考えるべきなのだ。
投票日、初日、郵便投票の多くが開票される前の段階は、トランプ候補が圧勝の様相であった。マスコミは郵便投票の開票で逆転の可能性もあり得ると、言っていたが、苦しい言い訳にしかその時点では聞こえなかった。その時点でのバイデン候補の発言も、最後の1票が開くまで待てと、最後の1票が開けば勝利できるという宣言をした。これは奇怪だった。私には、敗北宣言はしない、と宣言した様にも聞こえた。
夜が明けると、状況が一変。郵便投票の開票が進み、バイデン氏の逆転の様相が強くなってきた。しかし、その票の中身を客観的に考察すると、次の様な図式が出来る。
今回の得票数は史上空前の得票数であった。過去最高得票を、敗色濃厚のトランプ候補でも大きく上回っている。バイデンの得票は更に上なのだ。しかし、それ程の得票率をマークする程、選挙戦は盛り上がっていたのだろうか、疑問である。討論会も1回中止になり、最後も静かだった。バイデン候補の演説は、簡素だった。それで史上空前の票が得られるのだろうか。
今回コロナ禍の影響で、郵便投票が従来の特別扱いでなく、ハードルを下げて、しかし公正維持策は施さず実施され、結果として6500万票も実行された。これはとてつもない数字である。しかも一説によると、その9割をバイデン候補が獲得したとか。9割は余りにも大きい差なので、少し加減して8割獲得で、郵便投票を除いた得票数をシミュレーションすると、トランプ候補が6000万票、バイデン候補が2700万票とトランプ候補の圧倒的優勢となるのだ。
トランプ候補が獲得した郵便投票の2割を正として、バイデン候補の方が郵便投票においては優勢であったとして、その差を常識レベルの範囲に抑えて、倍を獲得したとすると、トランプ候補7300万票、バイデン候補5300万票と常識レベルの差でのトランプ候補の勝利になる。
この状況では、トランプ候補が納得できず、不正が行われたと判断するのも、何ら不思議でない。しかし、不正の証拠がない。統計的に検証する方法はないのだろうか。
実は、統計的手法でデジタルデータ分析を行うことが可能である。その一つの手法である、ベンフォードの法則を使ってみる。
ベンフォードの法則とは、ランダムに発生する桁数もまばらな数字の上位桁の数字の出現確率を示すものであり、何らか人の手が加わると、この法則から不自然に外れることで、不正の検出を行うのである。例えば、上1桁目には、『1』が30.1%の確率で発生する。1~9までの数字が均等の確率で出現するわけではなく、統計的にはlog10(1+1/n)で表されるのだ。直感的には、変に思うかもしれないが、桁数が揃っていない数字の上の桁と考えると少し冷静に考えればお分かり頂けるだろう。個々では数学的証明など、詳細は割愛するが、そういうものだとして以下を読んで欲しい。
激戦州でバイデン候補にマスコミが当確を出している、『ウィスコンシン州』『ペンシルベニア州』『ネバダ州』『ミシガン州』『ミネソタ州』『アリゾナ州』『ジョージア州』の郡毎の得票数の分布を調べてみたのが、次のグラフである。
青線でベンフォードの法則の曲線を描き、赤線で実際の得票の分布を示した。青と赤のズレが大きいと統計的に不自然だということになる。
そうすると、バイデン候補の『1』『4』は不自然にベンフォードの法則から外れているのである。確かに、統計としてn数が充分かと言うと、不充分であることは間違いない。本来であれば、もっと多くのデータを取得して検証する必要があるが、対象とできるデータが簡単に取得できないので、この結果は、あくまで簡易に検証した結果に過ぎない。従って、この結果をもって、不自然と断言はできない。しかし、不自然である可能性があることは間違いないのだ。
ちなみに、このベンフォードの法則を利用した統計デジタル分析は、会計監査などで、不正を検出する手法として実際に使われている方法である。数あるデータの中で、不自然な所を検出し、ターゲットを絞って、深い調査を行うのである。これらの統計手法は、それ自体で不正の証拠とはならないが、怪しい不自然な部分を抽出し、集中的に検査することで不正を暴く。
今回の司法判断の過程で、この様な手法を利用するとは思えない。従って、司法決着となってもバイデン勝利となるだろう。しかし、司法判断で不正が無いと言い切ることも出来ないだろう。不正があろうと、無かろうと、勝ちは勝ちと判断するのは、当事者でなく司法しかない。それが、アメリカ大統領選挙制度なのだ。