シブコ残念無念、だが来年リベンジを確信できるメンタル

 渋野日向子選手の戦いが終わった。全米オープン、メジャーの3日半、守り続けた首位を4日目に明け渡しての単独4位。単独4位は素直に称賛に値するし、やはり海外で勝負できて勝てる可能性を持っているナンバーワンがシブコだ!と知らしめてくれた。それでも悔しい、この悔しさは来年の五輪、そして海外メジャーの舞台で晴らしてくれると信じている。

 最終日、それまでと違い寒いということが、画面から伝わって来た。まず、意味不明なほど距離が出ていなかった。悪天候を考慮して、ティーを前に出し、全長400ヤードほど短くしているのに、ハイブリッドを使う率が極めて高かった。止めにくい厳しいグリーン、ピン位置が更に止めにくく、見ていても攻めきれる気がしない状態に感じた。そして、寒さだけでなく、緊張も併せて振れていないとしか思えないミスが連発していた。抜けない芝に突っかかり、かと言えば開いてしまい、トップもし、我々から見てもこれでは安定できないと感じざるを得ない状態だった。スマイルもいつもの心底から出てくるスマイルではなく、どこか無理したスマイルだった。

 その中でも5番ロングのサードショットは、本音を言うと打った瞬間、テレビの前で『あっ』と声が出るほどで、終わったとさえ感じさせられた。

 しかし、その状態で1日5ボギーに抑えたのは、逆に凄いと言っていいだろう。特に5番のグリーン奥からのアプローチは圧巻だった。ベアグランドから打ち上げ、球を上げて寄せる。しかも、一筋ズレていれば入っていてもおかしくなかった。あれは、ヘッドの入る位置がほんの1mmズレても、あれだけうまく打てない。随所に、凄まじい執念の粘りが見ることが出来て、寝不足でも眠たさを感じる暇がなく、息も出来ないぐらいの重たい雰囲気で最後の最後まで粘ってくれた。

 流れがあれば、あの粘りのアプローチのいくつかが、一筋ズレてカップに吸い込まれてもおかしくない。そうすれば、空気はかなり軽くなっていただろうが、流れも味方をしなかった。厳しい世界である。

 上がり3ホールを残し、2打差で可能性を残し、17番のバーディーパットをショートしてしまった時点で、気持ちが切り換えられていないというか、自分を責めていると言うか、パーパットが入る精神状態には見えなかった。そして結果はボギーで終戦。

 しかし、18番のバーディーパットは、勝負がついた後、全てのプレッシャーから解放された様に見事ロングパットを沈めてくれた。もう、ファンとしては、このパットを最後に見せてもらえただけで今日のところは充分満足。悔しいが、絶対次にはやってくれると確信できるからだ。

 感情をコントロールすることで、1打・2打を稼ぎ出す、そんなシブコを見せてもらえた。賛否両論あるだろうし、事の是非は分からないが、私の感覚的には、感情をコントロールする事を覚えた状態で、もう一度感情を表に出す様にすれば、無敵ではないだろうか。感情をコントロールするのは正直しんどい筈だ。それが4日間だけでなく、1年間、この先の選手生活と考えた時に、個人の適正であれば問題ないだろうが、シブコは違う様な気がする。

 確かに、若さに任せて、感情を出すだけでは、ムラが出て、大きな勝負には勝てなくなっていくだろう。しかし、シブコの本質は、スマイルシンデレラなのだ、それで大舞台を勝ち切った。更なるレベルアップのために感情のコントロールをこの1年間訓練出来た。この出し入れが出来る様になれば、無敵のスマイルシンデレラとなってくれるだろう。

そういう観点の、メンタルトレーナーは付いているのだろうか?

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