女性タレント容姿侮辱問題は、禁じ手である悪質な魔女狩り?

東京オリンピック開会式などの演出の統括役、佐々木氏が辞任に追い込まれた。

最初は、文春オンラインから『女性タレントの容姿を侮辱するような構想』『豚を意味するピッグを五輪とかけて女性タレントが扮するアイデア』と発信したとの事だった。ここだけ、摘み取れば一発アウト、弁明の余地もなく、現状認識も出来ない不適切な行為と非難されるべきだ。

しかし、徐々に全容が見えてくると、逆に違和感を感じざるを得なかった。

まず、この女性タレントとは国際的にも活躍中の渡辺直美さんだ。果たして、当の本人はこの演出が万が一採用されたとしても、侮辱されたと受け取るのであろうか。彼女の芸風は、周知のごとく、容姿の特徴を前面に出したものだ。それを否定するのだろうか?

アホの坂田(古い?)に対して、アホ扱いする企画は、本人を侮辱するものだろうか。寧ろ、『ご馳走様』と受け入れる事で見ている人の笑いを取るのではないだろうか。一般人をアホ扱いして侮辱するのとは、全く意味が違うぐらいは理解出来るだろう。

確かに、これが一般女性やシリアス系の女優に対しての企画であれば、侮辱と受け取られる事もあるだろうが、あくまで本人次第ではないだろうか。芸の幅を広げると受け取る人もいれば、自分の像が崩れると拒否する人もいるだろう。渡辺直美さんの場合、『ご馳走様』側ではないのだろうか。

彼女のコメントが発表され、非常に練られた、当たり障りのない発信が為された。

その内容は、『見た目を揶揄されることも重々理解した上でお仕事をさせていただいている』『今まで通り、太っている事だけにこだわらず渡辺直美を表現していきたい』『それぞれの個性や考え方を尊重し認め合える・・』などだ。

タレント渡辺直美の個性を踏まえた時に、この企画案を蔑視と断定することが個性を認めたことになるのだろうか。逆に個性、別の言い方をすると芸風を否定する事になっていないのだろうか。いつ、自身の芸を自虐的で女性蔑視に当たるとの攻撃を受けるかもしれないと、恐れるのではないだろうか。

演出側も、この騒動で渡辺直美を同様のキャラとして今後起用しにくくなる。それは女性蔑視といつ攻撃を受けるか分からないからだ。ひょっとすると、ゆりやんレトリィバが自分に役が回ってくるチャンスだと感じて、また太ろうと思っているかもしれない。

次に、この案は、1年前の案出しの段階でメンバーからの非難を浴び、即却下され、不適切だとの認識を持ち、メンバーに対して謝罪までされている。ある意味、内部情報の没情報である。この種の内部情報は極秘扱いのはずだ。間違いなく、秘匿義務を負った人間が情報漏洩したことになる。こちらの方が本質的には大問題なのだ。

この秘匿義務違反を犯してまで情報流出させるのは、明確な意図があると考えるのが普通だ。あくまで個人的な想像ではあるが、佐々木氏潰し、もしくは、五輪潰し、その両方の場合もあるだろうと感じるのだ。これは悪質な禁じ手であろう。

渡辺直美さんのコメント『それぞれの個性や考え方を尊重し、認め合える、楽しくて豊かな世界になれる事を心より願っております。』が魂の叫びではないだろうか。筆者自身も、その様な世界を切望して止まない。