感染拡大の虚実、専門家の言わんとする事と発信される情報のギャップ

過去最多の感染状況だとメディアでは危機を煽り続け、地上波でテレビ専門家は一般市民も矛盾に気付く様な、何が何でも危機煽り発言が止まない。

筆者は、これらの専門家は本当にこんな簡単な論理すら分からず、信頼をどんどん低下させる言動を繰り返すのが不思議で仕方が無く、本当の所はどうなのだろうか知りたく、京都大学の西浦先生に問い合わせてみた。

西浦先生は、多忙を極める中、小生如きの門外漢の質問にも丁寧に、分かり易く、そして複数回のやり取りを通じて説明して頂いた。正直、これ程丁寧にお答え頂けるとは思っていなかったので感謝以外の言葉は無い。そして、ある誤解は解け、ある仮説は確信となり、小生なりに一つの結論に至っている。そして、過去の小生の論説の中に西浦先生の真意を理解せず、かなり失礼な物言いをしていた部分もあるのではないかと反省し、その事は謝罪したい。

結論から申し上げる。西浦先生のお話になられた、医療崩壊のシナリオは、データに基づき、精度の高い予測として論理性を保っている事は間違いない。但し、それを伝える表現にかなり問題があり正確に伝わっていないと断言するに至っている。今回も複数回の丁寧なご回答を頂けたので、初めて一定の理解に至ったのだ。

そして同時に、問題状況を打開する方法論の検討等、マネジメントに関しては、失礼ながら素人であるが故、周囲の感情的な誤誘導影響も受け、論理性を欠く部分もある。論理と非論理が入り混じった状態の発信なので、論理の部分も正確に伝わらないのだ。

残念ながら、専門の道を究められている方に、プレゼンテーションやコミュニケーションを期待できないし、するべきではない。それは、本来メディアの役割の筈だが、真のメッセージを届ける事よりも、捏造でも何でも、政府を批判できれば良い、或いは視聴率が稼げれば良いという風潮で、本来の責任を果たす意識が欠落していると感じる。テレビ出演の専門家も同様、自己矛盾の論を強弁する上から目線の姿勢を視聴者から見て取れる時点で、何か別の目的を持っての発言と受け取られるのは必然だろう。伝わらない焦りから悪循環しているとしても弁解の余地はない。

<医療崩壊のシナリオと対応策>

西浦先生にご説明頂いた医療崩壊のシナリオを簡単にご紹介すると、重症化や死者云々ではなく、若者の陽性者が激増する事で、一般病床が埋まり、医療崩壊に繋がるという簡単なシナリオだ。そして、重症者数や死者数が激減している事は認められており、一般病床崩壊前の重症病床の崩壊を言っている訳ではないのだ。

即ち、一般の確保病床が埋まり、医師の負荷が高まる事で、医療サービス自体の低下を招くのだが、であれば違った対策のアプローチが本来ならば検討される必要があると考える。

それを専門外の五輪が云々だとか、人流や飲食店がどうのと言い始めると、そのエビデンスを示せる訳も無く、説明に矛盾を孕むので、本来伝えるべき情報すら信頼性が欠落していくのだ。

五輪と感染の関係を示す証拠は何もないが、逆に、他のイベントの1年間の取り組みから、実効性のある対策は実績があり、感染抑止と開催を両立できる事は示されている。飲食に関しても同様、感染リスクのある行動もあれば、抑止できる対策も明確になっている。旅行や人流も同様だろう。

であれば、実はやるべき事は明確になってくるはずなのだ。

<現在の日本で取り得る対策案>

  • 若者中心に、今は大事な時期で悪い病気も流行っているので風邪をひかない様に健康管理を徹底する様に注意喚起する
  • 医療の専門家を地上波メディアに出演させない
  • 政府の分科会や医師会などの発信を地上波メディアに載せない
  • 幅広い医療の専門家の情報、経済影響・政策の専門家の情報を受け、解釈し、総合的な提言としてまとめるマネジメント経験者の組織を設置する

『風邪をひかない様に健康管理』は実は核心を突く対策なのだ。入学試験などに備え、健康管路を徹底する事は普通に言われるのだから違和感はない筈だ。その為の方策も極自然に理解しているだろう。自然免役力を高めるために、睡眠を充分に取り、栄養も充分に採る。適度な運動、ストレス発散、ビタミンD取得、日光浴等もそう。ウイルス暴露しても感染を抑える為に、手洗いうがい、洗顔で目も洗浄を徹底する。風邪のひき始め、少しの変調に早期対応を徹底する事だろう。

『そんなこと今までもやっている』と言うのは間違いだ。今言われているのは、所詮コロナに感染しない様に、と言われているだけだ。風邪をひくなとは言われていない。この時期、例え単なる風邪であっても発熱すれば面倒臭いし、社会にも影響を及ぼす。ひいてしまったら仕方がないが、ひかない為の最大限の努力、心がけを訴えかける。社会人であれば、所属企業から、学生であれば、保護者や学校から、そういった社会構造が必要なのだ。

そして、正しく伝える事が出来ない、コミュニケーションやプレゼンのプロでない医療の専門家が政治発言を繰り返す様では、社会の混乱を招くだけだ。本来、メディアが節度を保ち、専門分野の情報も的確に解釈し、発進すべきだが、その意思も無く能力すら無い事が知れ渡ってしまった現状では、一定の情報統制も必要となるだろう。原論の自由が奪われる訳では決して無い。寧ろ、適正な言論の自由を担保する為に、ネットを最大限活用し、地上波メディアは厳格に放送法の適用をするだけなのだ。それでも反省しないなら、電波使用許諾を取り消すくらいの強硬策もありだろうし、少なくとも許認可の条件に、一定の政府発信枠や両論公平な討論、言論の情報番組の枠を確保させる事。ペーパーメディアも裏取りの無い情報発信で誤報とされた場合に強力な罰則を与える必要があるだろう。

メディアの萎縮?嫌々、これ程社会不安を煽る様では、少しぐらい委縮して頂いた方が社会の為であり、ネット空間には玉石混交だが種々の情報が入り混じる状態が存在しているのだから、言論や情報発信の健全化は図れるだろう。

そうやって情報発信が健全化されれば、本質的な問題が確実に見えてくる。

若者のコロナ陽性者で一般病床が逼迫するのであれば、最有力策は、尼崎の長尾医師の成功事例の水平展開ではないだろうか。初期医療を適切に実施し、非感染者と、無症候感染者を切り分ける。発症時に早期確認が出来る様にオンライン診療を充実させ、入院患者を未然に防ぐ。実は日本の医療体制の一番得意とする領域の筈なのだ。

それ以前に、2類感染症相当から外すだけで解決するかもしれない。インフルエンザやRSウイルス感染症と同様の対応で、重症化や死亡に至る不幸を同等に抑えられるのであれば問題ない筈だから。