今年の女子プロテスト、正確に言うと昨年行う筈だったテストの代替として行われた今年のプロテスト前半戦が終了した。先日、注目として『白金台女子ゴルフ部』『DSPEプロジェクト』『三嘴門下生』などから挙げた中からは、僅か2人の合格に留まった。流石に狭き門、厳しい戦いであった。
何はともあれ、その中から見事合格を勝ち取った、植手桃子プロ、篠崎愛プロ、おめでとうございます。この先のレギュラーツアーでの活躍を心から期待し全力で応援致します。そして早速今週、資生堂レディスオープン(戸塚CC)に主催者推薦での出場決定、今回のプロテスト合格者22名中9名も参加、プロテストの調子を維持していれば予選通過、上位争いも期待できるだろう。頑張って欲しい。
プロテストの話に戻るが、最終テストの舞台、静ヒルズは難関コースだが、トップスコアが14アンダーとトンデモナイスコア、合格カットラインも4アンダーとレベルの高い戦いであった。
先に挙げた2人は最終日、合格ラインギリギリの状態で気が許せないスタートだったが、両名とも良い立ち上がりではなかった。植手選手は、2番、4番でボギーというボギー先行、篠崎選手は、更に悪く、1番、2番で連続ボギーとして、合格カットライン以下に一旦落ちている。本来であれば精神的にも追い込まれ、悪循環し兼ねない状況だが、篠崎選手は3番でバンスバック、4番も連続バーディーで振り出しに戻している。植手選手も7番、9番でバーディーとして前半で当日イーブンに戻している。これは、レギュラーツアーで戦う強さに繋がると感じているのは私だけではないだろう。
資生堂レディスでも頑張って欲しい。両名にとってレギュラーツアーは初めての経験でもなく、制度変更さえなければQTから臨むレベルの選手なので、プロテストの方がプレッシャーは大きかっただろうから伸び伸びと力を発揮して欲しい。
篠崎プロの豪快なショット、植手プロの安定感、この二人のプレースタイルは、両極と言ってもいいぐらい違うが、1ファンとして楽しみでならない。
さて、若干エピソードを紹介すると、篠崎愛選手はプロテスト直前にスイングの大幅改造を行っている。YouTubeのビフォーアフターを見れば明らかで、素人目に見ても大きく違う。しかし、普通はこの改造は大事な試合の直前に行えない。素人であってもスイング改造は一旦ボロボロになってからの再スタートになるのであり、プロテストの場で自信を持ってそのスイングをするまで仕上げるのは並大抵ではない。この偉業を成し遂げたのは、三嘴プロトの2人3脚の信頼関係なくしてあり得ないだろう。凄い事だと感動したし、必ずレギュラーツアーでの結果にも繋がるメンタリティだと確信している。
さあ、息つく間もなく今年の本来のプロテストが8月末から始まる。今回残念だった選手たちもリベンジを果たし狭き門をこじ開けるべく臨んでくれるだろう。
引き続き注目する選手を改めて挙げておきたい。
『白金台女子ゴルフ部』から、井上莉花、荒川侑奈、稲葉七海、佐久間夏美、楠本綾乃、岡田唯花、八巻聖良、江口紗代、山下美樹。『三嘴門下』から幡野夏生、瀬戸瑞希、瀬賀百花、今綾奈。『DSPEプロジェクト』からは、柴田香奈、小林瑞希、田邊美莉、平塚新夢、五月女栞雛、西山沙也香、立浦琴奈、鈴木絢賀、新真菜弥、諸西諭里、四村彩也香、須江唯加。
その中でも特に注目したいのが、井上莉花選手、豪快なショットはレギュラーツアーでも注目に値するプレーが期待できる。幡野夏生選手はキャラクターがプロとして魅力を発揮するだろう。瀬賀百花選手は絶対に曲げないショット力が魅力。諸西諭里選手は、何故最終テストで落選したのか不明な程の実力者。
ファンとしての楽しみは広がる。